AutoWorks
ショップにはかならず“秘密”がある。独自のチューニングノウハウやコンセプトから生まれた技術やパーツ。そんなショップ独自の“秘密”をちょっと見ちゃおうぜ!
         サーキットでトキメキたい貴方へ・・・
年に2回、エビスサーキットで走行会を主催しているピットロードの佐野孝一さんに“心トキメク”車との関係を語っていただきました。
                ショップの秘密
                     ちょっと見ちゃった
オートワークス7月号・1994より引用
今回はカラーページで紹介したエビスサーキットでの走行会を主催した泣sットロードへおじゃまして、代表の佐野孝一さんにお店のことやサニーのこと、またエビスサーキットで行われている走行会について、色々とお話をうかがいました。
AW こんにちは。お話どうり中古車屋さんみたいなフンイキが残る店構えですね。
佐野 そうだね。昔は中古車販売もやっていたからね。その頃と変わらないまんまだから。
AW 昔はと言うと、今は中古車販売はやらずにチューニング1本ということで・・・・。
佐野 んー。基本的に中古車販売はしていないんだけれども、年に1台だけ310サニーのエビス仕様ってのを作って販売しています。
AW 年に1台だけですか?
佐野 そう。年に1台だけ。中古パーツで組み上げるから、どうしても量産できない。だから限定販売になっちゃうわけ。
AW で、気になる中身とお値段は。
佐野 ベースは310クーペで、A14改1470cc、ウェーバー45Φ、ハイカム、ビッグバルブ、その他色々で140馬力/8000回転。足まわりはニスモ。これで車検、諸費用込みの百万円。
AW ひゃくまんえん!
佐野 だから限定販売にしないと、ダメなんだよ。中古パーツだって限りがありますしね。
AW エビスサーキットを走れる仕様でこのお値段は、ほとんどサービスみたいなものですね。
佐野 この310を買ってエビスを走れば心トキメク!たしかに新しい車の方がパワーもあるし、足もいいからトータルでは速いんだけれども、この310はエビスで速いセッティングになっているんですよ。だからエビスの走行会では速いから運転していて心トキメク。このトキメク時って言うのが重要なんです。たしかにEG6シビックに本気でこられちゃうと、いくらエビス仕様とはいえ310じゃ、ツライ時もあるけれど、シビックの速さには心ときめくものがないんですよ。大好きな車で走ってこそ、トキメキが最高潮に達するんだよね。
AW たしかにそうですね。プロドライバーじゃないんだから、自分の好きな車を走らせたほうが楽しいに決まっている!ところで佐野さんはなんで310が好きなんですか?
佐野 昔ね、たいした成績じゃなかったんだけど、ツクバで110のプロダクションレースを友達が何人か集まって、プライベートと言うか、遊びみたいな感じでやっていたんですよ。そのうち110のホモロゲが切れて310に移行して、それでもレースを続けて、あっ、その頃、店を始めたのね。店は中古車販売ばっかりで、自分のサニーばっかりイジってた!単純にA型サニーとはレースでの付き合いが長いからかな。だから一番好きだし、走らせれば十分に心トキメク!
AW 走ってよし、イジってよしのA型サニーですか。
佐野 僕はもっぱらドライバー。もちろん、簡単な作業はやりますけれど、組み付け精度が問われるような部分はメカニックがイジります。これはお店のお客さんも同じで、自分でやれることは自分でやる。どうしてもできない所とか、自信のない所は店がやるって感じで、夕方になると駐車場のあっちこっちで作業が始まる!
AW そうなんですよね。お客さんが来るのって仕事が終わった夕方からなんですよね。
佐野 今はまだいいほうだね。走行会が近づくと、もう夜遅くまでやってる「もう俺、帰るからなっ」って言って帰っちゃいますよ。付き合っていたら、徹夜になっちゃう。
AW 一度、バラしちゃうと走れなくなっちゃうから、徹夜してでも組まなくちゃ帰れない!
佐野 そうだね。徹夜してまでも自分の車をイジる。大好きだからイジれるんでしょ。そしてその車で走る。相手をぶち抜いたりしたら、もう楽しくてしょうがない。心ときめく瞬間だよね。そのトキメキを大切にしたいって言うか、みんなをトキメかせてあげたいんだよね。だから走行会を年2回主催して、心トキメク何かを得てほしいんだ。これが一番大切なんじゃないかな。それと心トキメクとパーツも買ってくれるしね(笑)!
この記事はオートワークス編集部がピットロード走行会シリーズ10戦・エビスサーキット取材と
ピットロードに訪れて取材したものです。                   1994.7月号より